Chironuko3のへや(工事中)

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Mpow M30 TWSイヤホン (ブラック) レビュー

Mpow M30 完全ワイヤレスイヤホン MCSync Type-C充電 片耳対応 左右分離型
¥3,999、Topyo JPPatechが販売 👉mpow公式
Mpow(エムパウ) M30は、2020年11月に国内販売されたTWSイヤホン。
実は2020年春に国内販売の予定だったらしいが、延期になってしまったようだ。
特徴はAiroha AB1536Uを採用し、左右同時伝送を実現したハイコスパイヤホン。
イヤーフックを採用し、スポーツ向けの仕様になっている。
当機はMpow Japanのプレゼント企画でいただいた。
(エムパウJPさん、ありがとうございました😹)

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M30はMCSync対応でスポーツよりのイヤホン。ポリウレタンのドライバーを採用。
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コンパクトな梱包
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多言語マニュアルとクイックマニュアル。付属品はイヤーピースとイヤーフック。
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ケースの深さはまあまあありそう?ケースの充電量をインジケーターの色で告知。
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ケースを開けると、イヤホンの電源がオンになり、すぐにペアリングがはじまる。
ケースは小型。
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イヤホンはまあまあ大きいほう?丸っこくて、タッチの反応は非常によい。

 ケースを開けると電源オン、すぐにペアリング開始。
イヤホンを収納して、ふたを閉めないとペアリングは切れない。
はじめはこの仕様は不満でしたが、慣れると便利です。
なお、本体長押しでオンオフが直接できます。

接続は良好でした。Airoha AB1536Uチップさすがです
さらにLDSアンテナだった気がします。
連続使用時間は確か5時間はクリアできていたと思います。

タッチは良好ですが、反応が良すぎて曲が止まったりすることもありました。
これだけ反応がよいのですから、1回タッチで曲が止まるのは逆に不便でした。
個人的には音量は1回タッチを好みます。

タッチ操作は次のようになります。
・左右1回タッチ:再生/停止
・左右2回タッチ:曲送り/曲戻し
・左右長押し(再生中):音量調節
・左右長押し(停止中):電源オフ/オン

フィッティングはステムが短く難がありました。
イヤピは標準で合いましたが、人によっては合わないこともあるかもしれません。
ケースは深くないので、イヤーピースの交換はやや難しいと思います。
このあたりは価格なりという印象です。

音量調整はスマホDAPのみの対応
完全対応ではなく、AVRCP(※)による対応のみ。
Bluetoothトランスミッターには非対応です。
(※Bluetoothのリモート操作をするプロトコル
音量調整ができるイヤホンはすごく便利ですが、トランスミッターでは音量調整ができないので、テレビの視聴には向かない。

音の特徴は、近めボーカルと強めの低音で明るくノリのよい音。
低音は強めでベースラインはしっかり、ボーカルも近く聴きやすい。
どんな楽曲にも相性がよく、万人におススメできる。
低音は浅く、耳あたりがよいが、中低音が強く、ディテールはぼやける。
高域も高いところに山があり、結構出ていて、かすかに回線のノイズが載る。
高域は結構攻めていて、音色は薄っぺらではないが、ややノイジーだが、ハイハットの抜けやボーカルの息遣いは良好。
ウェットで明るい音色だが、中低音の残響が残りすぎる。
このモコモコがこのイヤホンの音の肝で、中音域の薄さを埋めて、クリアな高音にしっとりした音色を加味する。
フラットやドンシャリでクールでつまらない音にならないような工夫を感じる。
質は悪くないのでそこはキャラクターと捉えたい。いい意味で攻めすぎかなとも思います。

Earfun Free Proがオーディオの音ならば、M30は親しみやすいコンポの音、万人に好まれる音だと思う。
傾向は少し違うが、BluetoothヘッドホンのMpow H20にも似たようなことが言えて、価格を抑えた中で最適な音を作り出す、Mpowのチューニングの巧みさを感じた。

気になるところは3カ所。
一番気になるところは、タッチの反応だ。
敏感すぎて、装着するときに再生が始まってしまうことも多々あった。
この感度ならば、1回は音量にしたほうがよかったかもしれない。
勝手に楽曲がはじまってしまうと、また戻して再生しなおすことになるから、ストレスを感じる人は少なくないはず。アンコントロールは減点が大きい。
また、フィッティングはピッタリして良好なのだが、ステムが短いので、合わない人も多いかもしれない。
あとは音量調整。あるのは本当に便利で、トランスミッターで使えれば最高だった。
(というか、音量調整ができないのはワイヤレスオーディオとしてはあり得ないと常々思っています。)

Mpow M30は万人に好まれる明るいサウンドで、価格もお手頃。
音量調整は部分対応、タッチ操作に改良の余地はありますが、それ以外は合格です。
なんといっても、左右交互接続式なので、寝ホンでも途切れない接続の強さが頼もしい。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
文末に「接続方式について」「aptxの功罪」という2つのコラムを追記します。
長くなりましたので、興味がありましたら引き続きどうぞ。

 

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コラム1「接続方式について」
TWSイヤホンには現在3つの接続方式があります。
1つ目はリレー方式。
左右どちらかのイヤホンと接続して、そこからもう片方にリレーして信号を送ります。
TWSの最初の方式で、イヤホンの左右間の接続が途切れやすい。
また、機器と直接接続するホスト側の電力消費が早いです。
2つ目は(完全)左右独立接続方式。
いわゆるTWS+。クアルコムのハイエンドスマホのみの対応でこの方式はなくなります。
3つ目は左右独立接続方式(左右交互接続方式)
いろいろな記載がありますが、いずれも同じ技術を指します。
いわゆるMCSyncに代表される技術で、左右との接続を連続して切り替える方式。
左右のどちらでもデータを受信できるため、より障害に強い接続が確立できました。
機器を選ばないのも特徴です。
左右どちらにも接続するので、電力の消費が偏りにくく、その結果、リレー方式より使用時間が長い。
また左右どちらも片耳使用ができます。
2020年秋からクアルコムも左右独立接続に対応するチップ(QCC3040など)を採用。
aptxでも全ての端末で左右独立接続が利用可能になりました。
が、しかし、TWSイヤホンでは一定量のキャッシュ(データの保持)をするため、aptxは意味がなく、ただただ無駄な電力を消費するだけとなります。

コラム2「aptxの功罪」
ワイヤレスイヤホンやヘッドホンでは遅延が少ないaptxやLLは非常に重宝しましたが、上記の通り、キャッシュがあるTWSでは、コーデックの優位性がなくなってしまった。
動画の再生支援機能と勘違いして、いまだに低遅延だと信じている方も多いようです。
またaptxは高音質だと信じている方も多い。
実際、当機(mpow M30)は高域を攻めているのでホワイトノイズがありますが、それをSBCのせいだと思う方もいます。
ワイヤレス初期の製品は接続するビットレートが低かったせいもあり、SBC=低品質というイメージもありました。
aptxとSBCは何が違うのかというと、CBRとVBRの違いがあります。
aptxは4つの帯域に分けて、各帯域でCBR(固定ビットレート変換)をするため、レンジが広い現代の音楽では品質が安定します。
SBC(とAAC)はVBR(可変ビットレート変換)なので、音数が多いと不利と言われています。
実際のところ、両者を聞き分けるのは不可能です。
TWSで大切なことは、接続の安定性と消費電力の低さ。
遅延と音質に大差がないならば、コーデックにこだわる必要はない。
音質にこだわるならば、有線イヤホンやaptxHDやLDAC接続でヘッドホンを使ったほうが早いのです。
と、わかりつつ、いまだに自分はついコーデックに注目しがちですが😹

以上です。ありがとうございました。